東洋医学では気・血・水が均衡していれば病気にならない。と、人を1つのシステム(集合体)と考え体の均衡を重要視します。この考え方は、病には明確な原因があり、その原因を取り除いて治すという西洋医学の考え方とは少し違います。
このように西洋医学と東洋医学では病気を治す基本的な考え方が違います。
では、どちらの考え方が正しいのでしょうか?
因果関係がはっきりしている肺結核や風邪や外傷の悪化などのような細菌やウイルスによる病気は西洋医学、体が冷える・体がだるいなど複雑で多様な要因の病気は東洋医学が向いているように推察できます。
物理学に限らず科学では、「原因に法則が作用して結果を生じる」と考えるのが
普通です。 いわゆるニュートン科学の「因果関係」という考え方です。この「原因→法則→結果」の形式は、「入力→作用素→出力」と一致しています。
医学を含めてほとんどの近代科学が、「結果には必ず原因がある」という前提の上に成立していて、原因が結果へと変換される「法則」がどのようなものであるかの研究に邁進します。 法則さえ解明できれば、望ましい結果が得られるよう物事をコントロールできるからです。
しかし、例えば生まれつき膵臓の無い子供はニュートン科学的な考え方では、必ず糖尿病になりますが、現実は他の臓器が代替してインシュリンを作って糖尿病にならないことや、宇宙の誕生など、「因果関係」だけでは説明できない現象が余りにも多く、ここに量子力学的な考え方が誕生しました。
ガンの特効薬として注目されたインターフェロンや数々の抗がん剤が開発され、検診のために高精度で高価な機器も開発されていますが、ガンによる死亡率は減少することはなく増加していますし、DNAの配列が判明すれば夢の薬が実現するといわれてきましたが、生命の謎が深まるばかりで西洋医学の限界も認識されています。このように、伝染病などの細菌性の病は治るようになってきましたが、ガンやアレルギーによる病には治療方法が無いのが現実です。
治すクスリは好くない薬!と製薬会社の友人に言われたことがあります。症状を一時的に抑えて継続して使用するクスリ、すなわち降圧剤、血糖降下剤、痛み止めのような麻薬的薬が製薬会社にとって最も優れた商品といわれました。
治る薬は商品が一巡すると需要がなくなって、工場も人も設備も不要になり倒産します。クスリの開発には100億円近く要すといわれていますので、疑問を感じながらも納得したことを記憶しています。
構成要素が、絶え間なく消長、交換、変化を遂げているはずのものを止め、脱水し、薄く切って顕微鏡でのぞいて見ても、そこに見えるものは、本来危ういバランスを保ちながら、一時も留まることがないふるまい、つまり、かつて動的な平衡にあったものの影であり、次の瞬間では違ったものが見える。しかし今、顕微鏡下で時間の止まった細胞を観察している生物学者の眼は、その一瞬前も一瞬後も全く見ることはできない。その時私は、生命の動的平衡を見失い、生命は機械仕掛けだと信じる。
この世界のあらゆる要素は、互いに関連し、全てが1対多くの関係でつながりあっている。つまり世界に部分はない。部分として切り出せるものもない。そこには輪郭線もボーダーもない。そして、この世界のあらゆる因子は、互いに他を律し、あるいは相補して物質、エネルギー、情報をやり取りしている。このやり取りは、ある瞬間だけを捉えてみると、供し手と受け手があるように見える。しかし、次の瞬間を見ると原因と結果は逆転していて、別の平衡を求めて動いている。つまり、この世界には、本当の意味で因果関係と呼ぶべきものは存在しない。世界は分けないことにはわからない。しかし、世界は分けてもわからない。
人間の身体は量子の集合体です。体は手や足や内臓や頭から成っていて、それぞれが細胞から成っていて、細胞は分子で成っていて、分子は原子からなり、原子は原子核と電子から構成されていて、原子核は陽子と中性子で構成され.....。
そして、原子より小さな陽子や中性子や電子は物(粒子)としての性質を持っていますが波動です。そして、ストレスや喜びなどの「気」や脳波も波動です。
原子の外側、物の世界では「原因→法則→結果」があたりまえですが、原子より内側では、それと異なる世界が存在します。
原子より内側の量子の振る舞いを規定する「量子力学」は、量子を「モノ」としてではなくて、「状態」と考え、「固有状態→作用素→固有状態」と考えます。
このような考え方は、量子力学ができる遥か以前から東洋医学にあります。
量子世界の医学は、気・血・水の固有状態を好転させる作用素を探求することで、単に「原子より小さい物理の世界の法則」ではありません。
世の中のすべてが「原因→法則→結果」の図式に従っているわけではなくて、「固有状態→作用素→固有状態」という形式の系も存在するという考え方です。
心の状態、生活環境の状態、食生活の状態などが作用素として固有状態(人体)を決し、固有状態が作用素を決する、固有状態と作用素は区分するものでなく同じものと考えることが重要です。固有状態は現在の自分、10年前の自分、例えば10年後の自分です。作用素は日々の生活です。
波は物質ではなくて「状態」です。海水という「物質」の、ある「状態」が波です。原子より大きい世界では、このように「物質」と「状態」をはっきりと区別できます。しかし、原子より小さい世界では、そんな区分ができません。 電子は「物質」ではなくて「状態」です。 ただし、海の「波」の場合の「海水」にあたる物質がありません。
粒子性(物質の性質)と波動性(状態の性質)を併せ持つ、このような特殊な存在を、 普通の物質と区別するため、「量子」(quantum) と呼びます。その「量子」を研究するのが「量子力学」です。電子は「量子」の代表格です。
人は新しい細胞や細胞を維持するためのエネルギーとして、食物や酸素を得ています。そして、古くなった細胞をアポトーシス(計画死)して、新しい細胞に入れ替えながら我々は身体と生命を維持しています。そのため、1日に100~200億個新しい細胞が作られています。これら肝細胞、血液細胞、胃細胞、腸細胞、乳房など様々な種類になっていく新しい細胞は、胃、腸、肝臓、乳房などの固有の形を変えない厳しい掟に従っています。ガン細胞は掟に従わないわがままな細胞です。
顔や体系は加齢を除けば大きくは変わりませんが、ヒトの体は一部を除いて常に変化していて、1年も経てば体細胞のほぼ全てが入れ替わっていて以前の自分とは違う自分といわれています。
科学や医学の進歩によって、人が生命を維持するためのシステムの深遠さは理解されてきましたが、その精緻さに恐れ入るばかりで、むしろ解らないことが増える傾向すらあります。そして、今、人に備わっている免疫システムが見直されてきています。免疫は生体内で病原体やがん細胞を認識して殺滅することにより,生体を病気から保護する多数の機構が集積した一大機構で,東洋医学でいう気・血・水の内の水です。
ガンは老化現象でもありますが、若い人も患うことがあります。癌細胞の増殖を止める方法は
1)DNAの合成を止める→正常細胞の代謝が阻害される。
2)癌細胞を正常化する→最も望ましい。
3)免疫を強化する→望ましいが臨床ガンになると手遅れ。
4)細胞増殖に関わるたんぱく質を制御する→多様なガン細胞に対応することは技術的に困難。
5)アポトーシス(細胞の自然死)を促進させる。
の方法があります。しかし、→後に記載のように1)と4)は困難であり、現実には免疫を強化するか癌細胞を正常化する方法しか在りません。
私たちは古くなった細胞がアポトーシス(計画死)して、新しい細胞に入れ替える方法で生命を維持しています。そのため、1日に100~200億個新しい細胞が作られています。しかし、主にフリーラジカルによって60兆個ある細胞中の遺伝子(DNA)の一部が損傷して、結果として毎日1000~数万個の癌細胞が我々の体の中で生まれています。
癌細胞は免疫を担当しているT細胞、CLT、NK細胞が発見して壊しますが、免疫システムが不十分であると免疫監視機構をすり抜けます。
免疫監視機構を通り抜けたガン細胞に対して増殖が進行しても免疫が攻撃するのは困難です。そして、アポトーシスしない癌細胞は制限なく増殖して致命的な影響をもたらす臨床癌となります。
遠赤外線照射により、核膜の膨化と波状変形、ミトコンドリアの膨化とクリスタの消失を示すアポトーシスの特徴が顕微鏡で確認されています。
(「テラヘルツ波が医学を変える」参照)
損傷されたDNAがきちんと修復される人はガンになり難いのです。DNAを修復する回路が人にあり、これが正しく働いていればガンになりにくく、この遺伝子修復回路が生まれつき損傷しているとガンになり易いといえます。